私は、現在、滋賀県の生物科学センターで、お客様から依頼を受けたin vitro 試験や抗体作製試験の試験責任者をしています。私の所属するグループでは製薬会社などのお客様からお預かりした被験物質を細胞とともに培養して毒性評価・薬効評価を行ったり、細胞の培養上清などから専用の装置を用いて抗体精製を行ったりなど、細胞を扱う試験が主となります。また、お客様との打合せ、試験計画書と最終報告書の作成なども担当しています。

お客様に提出するデータに間違いがあってはいけませんので、実験操作一つ一つに誤りが無いよう各工程でチェックを行い、データの品質を常に意識して業務にあたっています。

繁忙期は慌ただしいですが、提示した試験の結果をお客様に喜んでいただけたときは嬉しくやりがいを感じますね。

大学院で研究を行っていた経験から、研究に携わる仕事がしたいと考え入社しました。入社後すぐは別のグループでイヌ・ブタなどを用いた試験を担当していましたが、その後、現在のグループへ異動となりました。当初、細胞を扱った試験や抗体精製の経験はほとんど無く不安でしたが、経験豊富な上司のサポートがあり、技術や知識を習得していくことができました。

お客様からお問い合せいただく試験の内容は様々で、全く同じ内容の依頼はほぼありません。その度に勉強しなくてはいけないことは多いのですが、常に上司がバックアップしてくれるのはとても心強いです。

試験責任者は試験をするだけでなく、営業担当者と一緒にお客様と面談を行ったり、社内外の様々な人と意思疎通をとる必要がありますので、コミュニケーション力も求められます。お客様との面談は緊張もしますが、ディスカッションを重ね意思疎通を図ることで、試験の目的や意図を深く理解することができるので良い経験をさせてもらっていると感じます。特に難しい試験を立ち上げてお客様に喜んでいただけたときには達成感がありますね。

日々、新しい技術や手法についての勉強は欠かせません。今後は、新たに習得した知識を活かし、ケー・エー・シーで対応できる受託試験メニューを拡充してお客様のニーズにもっと応えていきたいと考えています。また、昨年からサブリーダーに任命されたので、グループリーダーの補佐が務まるよう、マネジメントについても勉強中です。自身がこれまで身につけた知識や技術を後輩に伝えていき、若手社員の成長を手助けできればと考えています。