BIOSCIENCE

病理標本作製・検査

 病理グループでは病理組織標本作製および病理組織学的検査を承っております。HE染色標本作製の他に、特殊染色標本作製、非脱灰硬組織研磨標本作製、免疫染色標本作製を行っております。お客様の試験目的に応じて、作製方法や各種染色などオーダーメイドにてご対応いたします。お気軽にご相談下さい。
 また、弊社は医薬品医療機器総合機構によるGLP適合性調査の結果、2022年に医薬品GLP及び医療機器GLP、再生医療等製品GLP適用試験の受託病理組織標本作製について「適合」をいただきました。パラフィン包埋標本作製と硬組織非脱灰研磨標本作製の両標本作製ともGLP試験の実施を承ります。今後ともGLP施設として、より良い標本作製に努めて参ります。

パラフィン包埋標本作製

 固定組織、あるいはパラフィンブロック標本や未染色スライド標本をお預かりし、各種標本を作製いたします。観察部位や方向など、できる限りご希望に合わせて作製させていただきます。

大まかな作製工程:
①目的部位が見えるように、標本の作製が可能なサイズに整えます(切り出し)
②脱水後、パラフィンを浸透させてパラフィンブロック標本を作製します。(包埋)
③組織や目的に合わせて1~10μm程に薄切します(薄切)
④染色・封入を行います。(染色)

硬組織 非脱灰研磨標本作製

 骨および歯等の硬組織を骨形態計測等に用いたい場合は、硬組織を脱灰せず (非脱灰)、樹脂に包埋し、薄く研磨して染色を実施し研磨標本を作製いたします。
 組織内外に金属やセラミック素材等の薄切が困難な素材で作られた医療機器が埋植されている組織からも標本を作製することが可能です。

標本作製について弊社社員がインタビューを受けました。

動画内にて用いている機械(BS-300CP)はこちらです。
※メイワフォーシス様の製品紹介ページに移動します。

非脱灰研磨標本作製で実施可能な主な染色例
【MMA樹脂】
•ヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)
•Villanueva Goldner 染色
•Villanueva Bone 染色
•トルイジンブルー染色
【テクノビット樹脂】
•ヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)
•免疫染色(CD45)

ヘマトキシリン・エオジン染色 (HE染色)標本作製

 組織学的検査において形態学の基礎として、最も汎用されるのがHE染色です。塩基性色素であるヘマトキシリンが負の電荷をもつ核酸等を染め、酸性色素であるエオジンが正の電荷をもつ細胞質等を染めます。

特殊染色標本作製

 特定の物質 (蛋白、多糖類、脂質等)および金属 (カルシウム、亜鉛等)等を検出するための染色方法で、特殊染色と呼ばれています。
 各種染色を承ります。お気軽にご相談ください。染色一覧はこちらから。

免疫染色標本作製

 免疫染色は、特定の細胞やシグナルの検出などに広く用いられています。
弊社では試験目的に応じて酵素抗体法、蛍光抗体法による免疫染色を実施いたします。酵素抗体法を用いた染色標本は永久標本となる一方、蛍光抗体法を用いた標本は色彩豊かですが、蛍光が劣化するため永久標本となりません。弊社では蛍光抗体法で染色した標本については染色後速やかにお届けすることで、より鮮やかな状態でお手元に届けられるよう努めております。

 ご指定の条件での染色、条件検討からの実施、などお気軽にご相談ください。染色例はこちらから。

病理組織学的検査

 毒性病理等の専門家資格を有する病理学者が非GLP安全性試験、探索毒性試験、薬効薬理試験等における病理組織学的検査を実施いたします。薬効薬理試験では、病態モデル(変形性膝関節症、アトピー性皮膚炎、肺線維症、実験的自己免疫性脳脊髄炎、大腸炎、糸球体腎炎、発がん、等)の病理組織学的変化を文献情報に基づき評価基準を設定してグレード付けを行う他、必要に応じて画像解析装置を用いた病理所見の定量的な評価も承ります。