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病理マガジン【第14回】~凍結切片とOil red O染色~
試験事例
弊社ではこの度、クリオスタット(凍結ミクロトーム)(Leica CM3050S)を導入いたしました。
クリオスタットを導入することで、凍結切片の作製が可能になりました。
クリオスタットで作製した凍結切片は、パラフィン切片や樹脂切片では難しい脂質の染色が可能です。また、免疫染色においてはパラフィン切片に比べ、標的抗原の立体構造が維持され抗体が良好に結合できるため、免疫染色の情報が少ない抗体や自家製の抗体の特異性が調べやすくなります。
Oil red O色素は水に不溶であり有機溶媒に溶解しやすい脂溶性の色素です。Oil red O染色は、脂質を含む組織にアルコール性の染色液を作用させることで、色素が一定の配分率にしたがって溶媒から脂質へ溶け込む性質を利用した染色となっています。すなわち、色素結合による化学的な染色ではなく、色素の脂質への溶解といった物理的な染色方法となります¹⁾。
脂質の染色は、中性脂肪が細胞内に蓄積する病変(脂肪肝、脂肪肉腫、腎細胞がん等)の確認などに使用されます²⁾。
<参考文献>
1)水口國雄ら. 月間 Medical Technology 別冊 最新 染色法のすべて. 医歯薬出版株式会社. 2011. P42-46
2)松原修ら. 最新臨床検査学講座 病理学/病理学検査学. 医歯薬出版株式会社. 2016. P272-273
クリオスタット(Leica CM3050S) ラット血管周囲の褐色脂肪
Oil Red O染色
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