KAC MAGAZINE

病理マガジン【第8回】~神経膠細胞の染色~アストロサイト

試験事例

中枢神経系における神経膠細胞から、アストロサイトの染色についてご紹介いたします。

アストロサイトには形態学的に分類される主要な2つの型として灰白質に分布する原形質型(細胞質が豊富で太く短い突起を持つ)と白質に分布する線維型(細胞質が少なく長くて細い突起を持つ)があります。
代表的な機能としては、血液脳関門(BBB : Blood-brain barrier)の構成要素としての働きや、神経細胞への栄養供給が知られています。
また、神経組織の傷害時には病変部で増数しグリオーシスを生じます。

GFAP(Glial fibrillary acidic protein)はアストロサイトのマーカーとしてよく知られており、傷害や炎症に対してアストロサイトが活性化するとGFAPの発現も強くなることから、脳組織の傷害を判断するうえで有用なマーカーです。
弊社では被験物質等の脳内投与後の傷害評価等のために抗GFAP抗体を用いた免疫染色標本の作製をご依頼いただいております。
動物種によってニューロン等との重染色も実施しております。

【参考文献】
1)日本獣医病理学専門家協会,「獣医病理学総論第3版」,文英堂出版
2)Siracusa R, et al., Astrocytes: role and functions in brain pathologies, Front. Pharmacol. 10:1114.
3)Albee Messing and Michael Brenner, GFAP at 50, ASN Neuro Volume 0:1–23.
4)Agnieszka M. Jrga, et al., Beyond the GFAP-Astrocyte protein markers in the brain, Biomolecules 2021, 11(9), 1361

◆染色像
ラット脳                       マウス脳
アストロサイト(GFAP)/ニューロン(NeuN)/核(DAPI)     アストロサイト(GFAP)/核(ヘマトキシリン)
   

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