KAC MAGAZINE

病理マガジン【第7回】~神経細胞染色~

試験事例

中枢神経系における神経細胞(ニューロン)の染色についてご紹介いたします。
神経細胞は「長い」細胞です。
生後間もなく分裂を停止する永久細胞であるため生体内で最も寿命の長い細胞の1つであると同時に、
細胞突起を伸ばし最大で1mを超えるなど生体内で最も細胞の長さが長い細胞でもあります。

成熟神経細胞のマーカーとしてはMAP2(Microtubule associated protein 2)、NeuN (Neuronal nuclei) 、Neurofilamentなどが知られていますが、
マーカーごとに発現部位の差から見え方が大きく異なります。

今回は、NeuNを取り上げて染色像をご紹介いたします。
NeuNはその名の通り、成熟神経細胞の核で強く発現し、加えて細胞質でも発現します。
その発現は成熟神経細胞に特異的で、未熟な分裂途上の神経前駆細胞や、グリア細胞では発現しないため有用なマーカーとして知られています。
ただし、小脳プルキンエ細胞や交感神経節など一部の神経細胞では発現しないため注意が必要です。

【参考文献】
1)H K Wolf, et al., NeuN: a useful neuronal marker for diagnostic histopathology. J Histochem Cytochem. 1996 Oct;44(10):1167-71

◆NeuN染色(Alexa488)
イヌ大脳皮質                 イヌ海馬
  

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