KAC MAGAZINE

病理マガジン【第6回】~コラーゲン染色~

試験事例

哺乳類においてコラーゲンは体内のたんぱく質のうち約30%を構成すると言われており、最も豊富なたんぱく質です。
コラーゲンは3本のポリペプチド鎖がロープ状に集合したものが寄り集まって構成されています。
数多くのポリペプチド鎖が同定され、28型のコラーゲンが知られています。コラーゲンの型はそれぞれローマ数字でⅠ、Ⅱというように区別します。

体内のコラーゲンの約90%は線維性コラーゲンが占めているといわれ、代表的なものとしてⅠ、Ⅱ、Ⅲ型の線維性コラーゲンがあげられます。

Ⅰ型 : 体内コラーゲンの大半を占める。皮膚や骨、腱、靭帯などに幅広く分布
Ⅱ型 : 主に軟骨などに分布
Ⅲ型 : 臓器や血管、子宮などに分布

弊社では特に関節炎骨欠損等の骨組織におけるⅠ型コラーゲン、Ⅱ型コラーゲンの免疫染色を数多くご依頼いただいております。
ウサギ、イヌ、ブタなどの大型動物でも染色が可能です。
組織の状態によってはギ酸クエン酸脱灰した組織でも染色が可能な場合もあります。

Ⅰ型コラーゲン免疫染色(イヌ大腿骨)        Ⅱ型コラーゲン免疫染色(イヌ大腿骨)
    

参考文献
1)Ibrahim N Amirrah, et al., A Comprehensive Review on Collagen Type I Development of Biomaterials for Tissue Engineering: From Biosynthesis to Bioscaffold, Biomedicines, 2022,10,2307
2)Sylvie Ricard-Blum., The Collagen Family Cold Spring Harb Perspect Biol. 2011 Jan; 3(1)
3)Matthew D. Shoulders1 and Ronald T. Raines., Collagen structure and stability Annu Rev Biochem. 2009; 78: 929–958.

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