マクロファージ染色マーカーシリーズも３回目を迎え、これでマクロファージは一旦お休みになります。
今回はCD68を取り上げてみましょう。最もメジャーなマクロファージマーカーの１つかもしれません。

CD（cluster of differentiation）は、血液細胞の特定の抗原（細胞やエピトープ）に対するモノクローナル抗体を反応性に応じて分類し番号を付与したもので、同じCD番号のモノクローナル抗体たちは同じ反応性を示します。
HCDM（Human Cell Differentiation Molecules）が運営するHuman Leucocyte Differentiation Antigens (HLDA) Workshopsで登録を行っており、現在CD371までが登録されています。
本来CDはモノクロ―ナル抗体群を示すものですが、その抗体群が反応する抗原の名称としても用いられています。
細胞種毎に固有のCDの組み合わせがあり、細胞の分離や同定に利用されています。

CD68は比較的幅広く様々な動物種でマクロファージのマーカーとして利用されており、ヒト、マウス、ラット、にとどまらず、イヌやブタ、ウシでも利用されているようです1,2,3)。

弊社では「マクロファージのカウント」のためにご依頼をいただくことが多いです。
 

＜CD68染色像＞

マウスリンパ節　　　　　　　　　　　　　イヌリンパ節　　　　　　　　　　　　　ラットリンパ節
　　

マウス、イヌ、ブタ共に明瞭な染色像を得ました。

参考文献
1.　ブタ　Vijaykumar S. Meli, et al., Isolation and characterization of porcine macrophages and their inflammatory and fusion responses in different stiffness environments. Biomater Sci. 2021, 9(23):7851–7861.
2.　イヌ　Márcio Botelho de Castro, et al., Immunophenotypical and pathological changes in dogs experimentally infected with Ehrlichia canis, Rev. Bras. Parasitol. Vet. 2022, 31 (2)
3.　ウシ　 S.M. Falkenberg et al., Changes observed in the thymus and lymph nodes 14 days after exposure to BVDV field strains of enhanced or typical virulence in neonatal calves., Veterinary Immunology and Immunopathology, 2014, 160: 70–80

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