KAC MAGAZINE

滅菌?殺菌?除菌?消毒?

コラム

公衆衛生の意識が高まっている近年、殺菌や除菌という単語を特に高頻度で耳にするようになりましたね。なんとなく 「 キレイになりそうだな 」 という印象を受ける字面で、ついついその様な文字が表示されているウェットシートなどを優先的に手に取ってしまいます。

・・・などと書いてしまうと、これからそれらを否定するのかな??と思われてしまいますが、そんなことはございません!

( 今回のコラムはそんな似たような単語をほんのちょっとだけ解説するだけのコーナーでございます。 )

 


☆ 滅菌 ・・・ 検出しうる全ての微生物を殺滅又は除去すること

→つまり、ウイルスや細菌など、その種類にかかわらず微生物を“滅ぼす”ことを指しています。

☆ 殺菌 ・・・ 微生物を死滅させること

→滅菌と似ていますが、その対象や程度は特に決まっていません。従って、殺菌後には死滅している微生物もいれば、生き残っている微生物もいるかもしれません。

一部には、滅菌と同等の効果が期待できる性能のものもありますが、未だ検証段階であるなどの理由から殺菌と呼んでいるなど、その定義は非常に幅広いです。

☆ 除菌 ・・・ 微生物を取り除く( 減らす )こと

→殺菌とやや似ていますが、表現としてはそれよりもさらにマイルドなイメージですね。

お店などでこの文字をよく見かけるのは、 「 殺菌 」 や後述の 「 消毒 」 といった表現は 「 医薬品及び医薬部外品 」 にしか記載することが出来ない決まりとなっています。

そこから考え出された表現ということなんでしょうね。

☆ 消毒 ・・・ 病原菌など有害な微生物を除去、死滅、無害化すること。

→対象をある程度絞って、それらをやっつける( 無害にする )ことですね。

(  「 抗菌スペクトル 」 と検索すると、各種消毒薬がそれぞれどんな微生物に効き目があるのかを示した表が出てきて面白いですよ! ※長くなるので、“抗菌”の説明はいつか、また・・・ )

 


それぞれちゃんと違いがあることがわかりましたね。

ちなみに、我々KACのお仕事では大抵、 「 滅菌 」 と 「 消毒 」 の2つの単語を使います。

作業エリアの中に物品を搬入する時や、一部の作業エリアの中から物品を搬出する時は主に滅菌を行い、作業エリア内の衛生管理には定期的な消毒を行って日々エリア内の適切な環境維持に努めています。我々は目に見えない微生物達と日々奮闘しているのです。

 

 

と、いきなりですがここでクイズのお時間です!!

KACでは、滅菌や消毒という言葉を頻繁に耳にしますが、殺菌や除菌という単語はあまり( ほとんど )使用しません。一体なぜなのでしょうか??

 

是非皆様考えてみてください!

※上の各用語の解説がそのままヒントになっています。

 

どうしてもわからないから、答えを知りたいな・・。 という方は、下にうすーく答えを書いておきましたので、そちらをご参照ください!

 

 

答え

滅菌は、その対象が基本的にすべての微生物となるので安心、確実な処理方法ですね。

消毒は 「 これをやっつけられますよ 」 と決まっているので、やっつけたい微生物に対応する消毒薬を適切に使用すれば、エリア内にいて欲しくない微生物をやっつけられます。

一方、殺菌や除菌はその対象が特定されていないため、定義的にはそれのみだと我々やお客様の求める清浄度を担保することが難しくなります。

そのため、主に滅菌と消毒の2パターンを使い分けることとなるのです。

 

それではまた!

 

技術推進部 技術サービスグループ

アシスタントマネージャー 奥田 宏平