KAC MAGAZINE

個性に合わせた指導とは? 第三弾 : 過小評価するタイプ?過大評価するタイプ? 編

コラム

「 個性に合わせた指導とは? 」第一弾: 「 一人になりたい?付いていて欲しい? 」、 第二弾: 「 利き手、手の大きさ 」 をテーマにお話をさせていただきました。

今回の第三弾は「 過小評価するタイプ?過大評価するタイプ? 」をテーマにしてみたいと思います。前回のような物理的アングルからのお話と異なり、精神論的な要素が大きい( = 「 それは私見ではないですか? 」ということも往々にしてあると思います )ので、その点をご容赦いただいた上で、よろしければお付き合いください。

研修生は人間性もキャリアも様々です。何となく4つのマトリックスにしてみると、 ①自身を過小評価するタイプであり、それが経験不足に起因してるパターン、 ②自身を過小評価するタイプだが、実際は経験も実力も一定の評価に値するパターン、 ③自身を過大評価するタイプであり、それが経験の自負に起因してるパターン、 ④自身を過大評価するタイプであり、根拠となる経験もないパターンかと思いますので、それぞれのパターンで、自分はどのような指導方針を選んでいるか、改めて言葉にしてみました。

①自身を過小評価するタイプであり、それが経験不足に起因してるパターン

まず、「 経験がないのでできないことは当たり前なんだよ。 」、「 最初は皆同じようにできなかったんだよ。 」という声掛けでしょうか。 「 繰り返していけば自分もできるようになるんだ! 」と思ってもらうためのモチベートをしながら、一歩でも進歩があればそこは逃さず褒めてあげることが大切かと思います。

②自身を過小評価するタイプだが、実際は経験も実力も一定の評価に値するパターン

ある程度できているにも関わらず自分で自分が信じられない…というこのケースは、ある意味 ① よりモチベートが難しいかもしれません。根っからの「 自信なし気質 」の方ですので、「 私を信じていいんだよ? 」と、心を込め、これまた繰り返し褒めていくことで、少しずつ自信を持ってもらうしかないですし、可能であれば、「 あなた( 他の指導者 )も 『 できてる 』 と思いますよね? 」という感じで複数人から評価をもらうことも効果的かもしれません。

③自身を過大評価するタイプであり、それが経験の自負に起因してるパターン

自己評価では「 やったことあります。 」「 できます。 」と言いつつ実際のスキルが伴ってない、更には「 できていない 」という自覚がない…これもまた対応が難しいと思います。「 できていないよ。 」「 誤っているよ。 」という指摘は避けて通れませんし、自覚のない方への指摘ですからある程度明確に言ってあげること、場合によっては自身のデモンストレーションにより、「 ここがあなたと違いますよね? 」「 もっとトレーニングが必要ですよね? 」と見せてあげる必要があります。その後、自覚が芽生えてきたことを確認した上で、モチベートのフォローをすることも心がけたいですよね。

④自身を過大評価するタイプであり、根拠となる経験もないパターン

このタイプは、③ に比べると軌道修正が容易かもしれません。もともと根拠がないだけに、「 意外と難しいな。 」「 あまく考えていたな。 」と気づかせてあげさえすれば、素直に考え方を改めてくれる傾向があると思います。そこからは、「 変な癖がついていない 」という指導しやすい一面を活かしつつ( ゼロベースから )反復練習に突入していく過程を見守るようにしています。

①~④の各レベルは様々で、「 マトリックスのどこに位置するか? 」というのはそんなに単純なものではないということを大前提に、あくまで傾向について述べさせていただきました。皆様のご経験と照らし合わせいかがでしたでしょうか?

以上、「 個性に合わせた指導とは?第二弾 : 過小評価するタイプ?過大評価するタイプ? 編 」でした。