KAC MAGAZINE

四半世紀先の将来

コラム

2045年と聞いて何を思い浮かべますか。

テクニカルシンギュラリティに達するとされている年です。

Wikipediaによれば、

「技術的特異点は、汎用人工知能 (en:artificial general intelligence, AGI)、あるいは「強い人工知能」や人間の知能増幅が可能となったときに起こるとされている出来事であり、ひとたび自律的に作動する優れた機械的知性が創造されると、再帰的に機械的知性のバージョンアップが繰り返され、人間の想像力がおよばないほどに優秀な知性(スーパーインテリジェンス)が誕生するという仮説である。具体的にその時点がいつごろ到来するかという予測は、21世紀中ごろから22世紀以降まで論者によってさまざまであるが、この概念を多数の実例を挙げながら収穫加速の法則と結びつける形で具体化して提示したレイ・カーツワイルの影響により、2045年ごろに到来するとの説が有力視されることが多い。2012年以降、ディープラーニングの爆発的な普及を契機に現実味を持って議論されるようになり、2045年問題とも呼ばれている。」

とあります。

また、文部科学省・科学技術振興機構「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の川崎拠点「COINS」がスマートナノマシーンによる「体内病院」の確立を目指している年でもあります。

私たちは、見たこともないような、激しい変化の真ん中にいるようです。

動物実験は、それに係わる私たちの役割はどのようになっていくのでしょう。

動物実験計画の審査は、国の機関が実施するにせよ、機関内の委員会が実施するにせよ、AIを用いた圧倒的なデータを背景に厳しく審査され、洗練され、実験数、使用動物数ともに減少していくことが見込まれます。また、実験動物の飼育管理も大幅に自動化、省力化されていくでしょう。飼養者が動物と共にする時間は限られていき、その短い時間で動物の状態を適切に把握する能力が求められ、従来の動物および飼育器材に加えて自動化機械、コンピュータソフトへの理解が必要とされていくように思われます。

時代の方向をしっかり見据え、必要な情報を整理、把握し、不可欠とされる前に、準備し、能力を磨いていきましょう。

 

技術推進部 技術サービスグループ 田中 慶康